
通常の開発では環境問題での公聴会開催が必要だオーソリティーの開発には一切必要ないとの特権が付与されている。
これは州政府にとって大規模な投資を伴う大規模プロジェクトであり、かつ’84から’88間での短期間に開発しなければならなかったため、強力な権限を必要とした。これにより民間も安心して投資することができ、結果的には州政府が10億ドル、民間が30億ドル投資した。
(3)開発方法
土地はリースであり売却はされない。オーソリティーはどの土地区画を開発するかを決定する。各々の区画でホテル用などと用途を決める場合や床面積まで規定する場合もあれば民間に委ねる場合もある。基本的にはマスタープランに沿って規定されたが、区画ごとに基準を変更することもあった。なお、オーソリティーは道路の上にビルを建てられる空中権を有しており、当初予想以上に開発を進めることができた。
建設が決まると新聞広告を出し、希望者の中から計画内容や財務状況を審査して企業を決定した。市民から意見が出された時には必要に応じ計画変更することもあり、また外部の専門家も参加した委員会で検討し、利用方法や設計について各社を回り提言も行った。
(4)問題点
結果的には開発は順調に行われたが、この計画は州の他省庁の合議を得たものではなく、特殊事情と地域特性により採られた手法である。オーソリティーの権限が大きかったので、民間開発がうまく進まなかったとき、オーソリティーの権限で計画を変更することができた。
しかし、この方法の短所は民主的でなかったことであり、議論や協議をせずに進めたことがよかったかどうか、オーソリティーが土地所有権と開発認可権の両方を保有するのは適当であったか、などの問題がある。中国庭園は民有地で所有者は売却を拒んだが、特別法によりオーソリティーが半強制的に買収しており、訴訟が起こされ賠償金を支払っている。
州政府は、’97に開発認可権を計画省に移管することにしている。しかし場合によってはオリンピック計画に支障を来さないように2000年以降の移管になる可能性もあるが、このような方法を今後他のプロジェクトで採用する可能性はない。
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